
写真家として作家活動をする傍ら、フォトライターとしてフランスを中心にヨーロッパで撮影した写真と記事を日本のメディアに寄稿。カメラ・写真誌「Cameraholics」(ホビージャパン)の創刊に携わり、連載を執筆中。 19世紀の伝統的な写真製版による銅版画「エリオグラビュール」 との出会いをきっかけに、本格的な作品制作をスタートさせる。 1826年、ニセフォール・ニエプスは太陽の光で像を定着させることに成功し、それをエリオグラフィーと名づけた。語源は、ギリシャ語で太陽を意味するヘーリオス。写真は、その誕生の瞬間から太陽とともにあった。 エリオグラフィーを祖とするフォトグラビュールは、版の凹みにインクを詰めて刷る。もっとも明るい部分は紙の白。インクの濃淡と紙の白だけで光を語る、静かな技法だ。長くこの技法と向き合ううちに、その白のとなりに、もうひとつの光を置いてみたくなった。 金箔を貼った紙の上に、薄く透ける雁皮で刷る。インクの奥から、金が像を透かして立ち上がる。カーヴの窓から差す光、熟成庫の灯り、工房のランプ。フランスの職人たちの手元を照らしていたあの光が、画面の中で揺れている。 万葉の人々は、揺れてきらめく光を「かがよい」と呼んだ。見る角度によって現れ、また沈む金の光は、まさにその言葉のままだ。写真の発明から200年。太陽の光から始まったこの小さな版画に、いま、かがよう光が宿っている。
館の公式サイトの紹介文を、そのまま載せています。 出典で読む ↗
開催中・10月25日まで
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