
1974年東京生まれ、埼玉県を拠点に活動。 小林耕平は、非人称的でミニマルなモノクロ映像作品を起点として、2007年頃には、空間に配置するオブジェクトや日用品、自身が出演する映像等に表現を展開させ、同時にモノや事象の関係性やその認識についての世界観を問い直し、変革を与えるような取り組みを行っている。それは、映像を撮影者に委ねる姿勢、他者の思考に応答する手法、対話者と問答するデモンストレーションにも表れており、それらは、作家主体の認識や問いをもずらしつつ、思考の領域を拡張させる。 小林は作品の構想段階において、自身の外側で起こることを広く受け取ることのできる大きな「器」あるいは「場」のようなものを設計しており、いわば「想定外」を積極的に想定し肯定する。加えて、左右の感覚をなくすことで身体感覚を消失させていくような《殺・人・兵・器》(2012年)等で見られるように小林にとって身体と方向は、自身と空間を認識する上で切り離すことができないものである。その自らの身体を起点として投げかけられた問いは、外側の空間で行われるオブジェクトを用いた思考実験を通すことで、他者との間で生じる認識や思考のずれを顕在化する。しばしば主従を逆転させながらも蛇行し進む会話は、様々な情報を付属しつつ、再び問いとなって鑑賞者の側へも拡散する。あるいは、身体の外側の領域に自らの思考を積極的に横滑りさせるようなその過程に、私たち鑑賞者はいつの間にか巻き込まれている。 -黒部市美術館 尺戸智佳子 (カタログ「テレポーテーション」より引用・加筆) 主な個展に「テレポーテーション」(黒部市美術館、2022)、「ゾ・ン・ビ・タ・ウ・ン」(ANOMALY、2019) 、「あくび・指南」(山本現代、2018)、「パランプセスト 記憶の重ね書き vol.4.小林耕平」(galleryαM、2014)。 グループ展に「ぎこちない会話への対応策−第三波フェミニズムの視点で」(金沢21世紀美術館、2021)、「所蔵作品展 MOMAT コレクション」(国立近代美術館、2019)、「切断してみる。ー二人の耕平」(豊田市美術館、2017)、「瀬戸内国際芸術祭」(伊吹島、2016)、「あいちトリエンナーレ 2016 虹のキャラヴァンサライ」(2016)、「アーティストファイル 2015 隣の部屋」(国立新美術館、2015)、「1974第一部 1974年に生まれて」(群馬県立近代美術館、2015)などがある。 パブリックコレクション 東京国立近代美術館、東京 韓国国立現代美術館、ソウル 豊田市美術館、愛知 高橋龍太郎コレクション
ほか 私設・企業コレクション等 1 件
出典は作家・ギャラリーの申告。「確認」は所蔵元で確認済み。
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