
KEN NAKAHASHIではこの度、7月3日(火)から8月3日(金)まで、海老原靖による3度目の個展「flowers」を開催いたします。 海老原は1976年茨城県に生まれ。ペインティング、写真、立体、パフォーマンスなど多岐にわたる表現方法で、ハリウッド映画の女優や子役スター、煌びやかなドレスなどのように、消費され消えゆくものをモチーフに、人々の記憶からも時間とともに消えていってしまうものについて探求しています。 本展では、ピエロ・デラ・フランチェスカの「ウルビーノ公夫妻の肖像」、ゴヤの「裸のマハ」などの西洋名画、アンディ・ウォーホルのセルフポートレートなどを参照し、2017年夏に訪れた蔵王連峰などを風景に組み込み、花なるものたちをテーマに描いた新作を発表します。 15世紀から伝わる技法を用い繰り返し描かれる、銀幕の世界に永遠に生き続ける子役スター、マコーレー・カルキンや海老原の友人。薄い絵具の層を細く柔らかい筆で何層にも重ねることで、透明感、色調の深み、きめ細かな質感が与えられていきます。 日本の神事に古くから用いられる挿頭のように四季の花を頭に装い、アゲハ蝶やミツバチに蜜を吸われ、どうしようもなく取り憑かれた時間の妄執から逃れようとしているかのように彼らは大きく目を見開いています。 イノセント、暴力、性愛、虚しさなどが未分化のまま内在し、悲劇と喜劇が隣あわせにあるような肖像画。それらは、海老原自身を解放へと扇動する幻想の棺に納められた肖像画であり、一種のヴァニタス画とも言えるでしょう。死の表象を消費するかのように繰り返し描くことで、スクリーンの裏で進む時間による加齢と劣化、幻想への執着によって歪められた儚い瞬間に焦点を当て、若さからの脱却のイメージを試みています。
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