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武松直生子は、様々な時間や場所、状況の中での「自己」というものに焦点を当てる。今回の新作展は、その中でも東京という環境での生活を見つめたものだ。「気の遠くなるほど多忙なこの社会の中では、常に数々の役を演じていなければならない。」と、武松は、殻のように見えるコスチュームを並べる。その材料もまた多様である。何種類もの金属、コンクリート、樹脂や塩化ビニルなどなど。その美しく技巧をこらした興味深い形態は同時に、この東京の人工的な要素を彷彿とさせる。「自分はここでは一体誰なのだろう?」「ほんとうに'私'のことがみえる?」という疑問を投げかけながら。 本来の意味での意志疎通が欠落していることはまた、点字の使用でも暗示されているのではないだろうか。
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