
1993年生まれ。 2016年武蔵野美術大学日本画学科卒業 、2018年同大学院日本画コース 終了。 大寺は、線描や隈取りといった日本画の伝統的な技法で女性像を描いています。丹念に幾度も墨を重ねることによりモノクロームの色相はより豊かに、柔らかく、肌の質感や湿度を感じさせます。その女性像はただ 表面的な美しさを追ったものではなく、時に形が歪められ、奇妙に蠢き、 私たちの目にまるで畏怖の対象のようにも映ります。 「世の中の求める女性像を目指すことは、自分自身を偽ることだ。内側をさらけ出し人間の真の美しさに迫りたい。」 彼女の強い思いが作品を形作り、縛られた性の在り方、生き方からの解放を感じさせます。 本展では、彼女が肉体と精神の不一致を感じていた経験を元に、自身の肉体と向き合い、共存していくことがテーマになっています。人間は生まれ持った肉体を抱えて老いていく運命にあります。劣等感を持ち、醜さに嘆いても蛹から蝶のように肉体を変化させることは出来ません。しかしそんな自分を、誰かを、受け入れ愛することが出来たら、世界は少し変わるかもしれない。 大寺はこれまで自身の肉体をモチーフに制作してきましたが、今回初めて特定のモデルも描いています。そこには強い思い入れと導かれるような経緯があり、性との向き合い方や表現にも変化が見られます。 確固たる意志と儚さの中で揺らぎながら、作品を展開する、大寺史紗展「羽化」をお楽しみください。 「羽化に寄せて」 私たちはきっと永遠に未完成のまま死んでいく 纏った服も、靴も、化粧も、全て剥いでしまえば「人間」に憧れた弱々しい私がそこにいる 蛹になれない君の柔らかく薄い肌も傷を残していつか枯れていくだろう ただその移ろいが何より愛しく、美しいと思う
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