
本写真展は、単なる作品発表の場ではなく、それぞれの作者が自身の世界観を写真という表現手段を通して提示するための場として開催されるものです。ここで語られるのは、技巧や流行、評価を目的とした写真ではなく、作者一人ひとりが人生の中で見つめ、考え、積み重ねてきた時間そのものです。 写真とは、本来、瞬間を切り取る行為であると同時に、撮影者の思想や生き方を映し出す極 めて個人的な表現です。シャッターが切られるその一瞬には、被写体だけでなく、撮影者が これまで歩んできた人生、選択、価値観、そして世界の捉え方が凝縮されています。同じ景 色を前にしても、同じ写真が生まれることは決してありません。写真は常に「誰が撮ったの か」という問いを内包する表現であり、その問いこそが作品の本質を形づくります。 本展に参加する八名の作者は、それぞれ異なる背景、経験、視点を持ちながらも、「写真を 生涯にわたって撮り続けていく」という共通の覚悟を胸に、今日まで歩んできました。決し て一直線ではなく、時に立ち止まり、迷い、遠回りをしながらも、写真と向き合い続けてき た軌跡があります。本写真展は、その長い人生の旅路の中におけるひとつの中間点を確認 し、言語化し、可視化するための場として位置づけられています。 ここに展示される作品群は、完成や到達を示す「結論」ではありません。むしろ、それぞれ の作者が「いま、何を見ているのか」「いま、どの地点に立っているのか」を誠実に提示す るものです。過去の集大成であると同時に、未来へ向かうための通過点でもあり、未完成で あることそのものを肯定した表現群であると言えます。 また、本写真展の特徴は、八名の作者が優劣や序列ではなく、対等な立場で作品を並置する ことにあります。異なる世界観が同じ空間に並ぶことで、写真表現の多様性が自然と浮かび 上がり、鑑賞者は比較や評価ではなく、「感じること」「考えること」に意識を向けること ができます。そこには正解も不正解も存在せず、それぞれの写真がそれぞれの真実として存 在しています。 鑑賞者に求められるのは、専門的な知識や写真技術への理解ではありません。むしろ、作品 の前に立ち、そこに写された世界と自分自身の記憶や感情を重ね合わせることによって、各 自なりの解釈や余韻を持ち帰っていただくことを願っています。写真は、説明され尽くすも のではなく、見る者の中で完成していく表現でもあるからです。 結論として、本写真展は、八名の作者がそれぞれの人生の現在地を写真によって誠実に提示 し、次なる歩みへと進むための節目となる場です。同時に、それは鑑賞者にとっても、写真 という表現の奥行きや、人が世界をどう見つめているのかを静かに問い直す機会となること を意図しています。本展を通じて生まれる対話や余韻が、作者と鑑賞者双方にとって、次の 一歩へとつながることを心より願っております。 主に動植物を被写体とし、光や色彩を通していのちあるものの輝きや美しさを表現することをテーマに制作している。 20代に一眼レフカメラを手にしたことがきっかけで写真を撮り始める。 当初は趣味だった鉄道を多く被写体にしていたが、その後は風景や花、雲、街並みなどに撮影の幅を広げる。 最近はポートレートに取り組んでいて、今回はその作品を出展する。 現役時はテレビ神奈川(tvk)でディレクター、プロデューサーとして番組制作を主に担当し、数多くの番組を手がけた。 現在は日本ジャーナリスト会議(JCJ)の運営委員として、機関紙で「フォトアングル」の欄を担当している。 ベビーと家族写真を専門として活動する一方、北海道へ戻り、改めて故郷の四季の美しさに心を動かされ、風景写真を撮り始める。 富良野の観光ポスターに春・夏・秋・冬の4シーズンで作品が採用される。 現在は、自宅スタジオや北海道の自然の中で家族の「今」を残しながら、北海道の四季の風景を撮り続けている。 レッスンで出会うママと赤ちゃんの幸せな姿を残したいという想いから、2014年頃より本格的に写真を撮り始める。これまでに1,000組を超える家族を撮影。 所属するロイヤルセラピスト協会ではフォト部門を立ち上げ、写真講座の企画・開発、講師の育成・指導に携わる。ママフォトグラファーアカデミー代表、フォトコンサルタントリーダーなどを務め、これまでに育成したフォトグラファーは延べ350名以上。2018年には『ママはみんなベビグラファー(合同出版)』を出版。 「子育てしているママが幸せになれる写真」を大切に、今は自身の子育ても終盤を迎え、母としてだからこそ見つめられるわが子との時間を写真に残している。 幼い頃からカメラや写真に親しむ。写真を通して自分なりの視点や考えを形にするため、写真を学ぶ。 現在は、自身の制作に加え、写真やアートに関わる企画・プロデュースにも取り組む。 日本の豊かな自然と、そこに息づく小さな命の営みに魅了され、動物と人間の共生を模索し、作品を制作している。
館の公式サイトの紹介文を、そのまま載せています。 出典で読む ↗
開催中・10月30日まで
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