
内藤忠行は、1964年東京デザイナーズ学院写真科を卒業後、単身NYに渡り、ジャズミュージシャンを撮り始める。その後マイルス・ディビスとの出会いから、自身の表現に磨きをかけ、1974年からジャズのルーツであるアフリカを精力的に訪れ、多くの写真を残した。1980年後半より日本文化に回帰し、「桜」「庭園」「蓮」等を撮り、内藤独自の世界を創り出した。 近年は髑髏、雲などを被写体にして、精力的に作品を制作している。 2005年、スワミナサン財団によるプロジェクトの一環、「モダン・マスターズ・オブ・フォトグラファー/ジャパン」の12人の写真家の一人に選出されており、作品は東京都写真美術館、川崎市民ミュージアム、安中現代美術館などにコレクションされている。 内藤は作品制作の中でトーンというものを重視してきた。 トーンとは一体何なのか。 「トーンというのは音楽的には音色のようなものだけど写真にも当てはめられる。 音楽における五線譜に示されたものと写真における適正露出は共通している。 音楽家も写真家もそれに従う人もいれば、それを基本として発展させる人もいる。」 内藤の適正露出は現実に見ている明るさと異なる場合が多い。被写体にふさわしいトーンが適正露出であり、それが内藤のスタイルとなっている。 内藤は直感的に写真を選びジャズを最初のテーマとし写真家を志した。 聴覚の視覚化は本能的に得意だった。 内藤は今、二次元の写真の中にリアルとポエジーを同時に存在させようとしている。 本展は、初期のジャズメンのポートレイトから、アフリカ、ゼブラ、マイルスなど内藤の家のリビングに飾られた作品の数々を再構築する構成となっている。 それはあたかも内藤の脳内を垣間見る行為のようであり、内藤が今まで通ってきた道筋を辿っていくことに他ならないでしょう。実際に、内藤のいうトーンを強く感じていただければと思います。 タイトルのW3とはマイルスがW6(多面体・12面体)であるならば、自分はその半分でも近づきたいという内藤の葛藤から生み出された言葉である。
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