
荒木はフィールドワークによって得られたその土地の歴史、風土、時間などを用いた作品を発表しています。その手法としては主にアッサンブラージュ✳︎を用いて制作しています。 身の回りにある装飾品や日用品、玩具などかつて何かであったもの、誰かの想いや考えが反映されたもの、場所を旅して時を経たものが、彼女にとって愛おしく面白い素材になります。その素材を寄せ集め、再構築し、新たな意味を手繰り寄せたものが、物や空間と対話するような作品として生まれ変わります。 荒木は2010年から単色のものを集めて彩色せずにものの形や色をそのまま生かして一つの形にまとめるシリーズ「モノトーンシリーズ」を作り始めました。 彼女にとって素材を探し集めることも制作の一部で最も重要な行為であり、一つの色の中にも色幅があり、色の使われ方、物の素材、用途、イメージとそれぞれに関係性があります。色と物は切っても切り離せないものなのです。 彼女は、「集まりやすい色、集まりにくい色、手に入り易い物、人から譲ってもらった物、人から人へと渡って私の手元に来た物。10年の間に集まって来た物。それらの色が持つ意味、ものが持つ意味、いろんな先入観やイメージを全部受け入れてみる。色を塗ったり、形を変化させるのではなくて、そのままの色や形の特徴を活かしていく。世界も人も物も自分も変化し続けていて、歳を重ねてその時の自分が作る。収集し記録と創造の行為を繰り返すことで、作品やその行為は意識や価値の変化を知る装置であり、きっかけとなるのではないか」と言います。 本展では全ての作品にハイヒールを用いています。荒木は幼い頃から自分の好きな物を収集する癖があり、ハイヒールもその一つでした。最初に制作した作品もハイヒールを使っていて、彼女の中で大切なモチーフになっています。 コロナで気軽に出かけられない鬱憤、災害や戦争の不安や哀しみや憤りもあり、複雑な感情の中、美しく強い靴であるハイヒールを用いて、それぞれの色により集まった形態を模索し、カラフルで楽しく力強く高揚する作品と空間を創り出します。 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 ✳︎アッサンブラージュ(アセンブリッジ、英語:Assemblage)とは、コラージュやパピエ・コレの立体版、すなわち、「立体的なもの」を寄せ集め、積み上げる、貼り付ける、結び付けるなどの方法により制作された美術作品(立体作品)およびその技法。「アサンブラージュ」と表記されることもある。一般の彫刻概念から逸脱するような立体作品である。全体として、ある種の統一性がある場合もあるが、統一性がなく、混沌としていることが特徴の場合もある。
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