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島田萌は1995年生まれ、東京藝術大学油画専攻を卒業後、東京を拠点に活動しています。 デジタル加工された写真を元にして描かれた島田の作品の中で最初に目が行くのが、今や誰もが簡単に写真撮影と編集をできるようになったことで見慣れているであろう「色飽和」と「色収差」を起こしているかのような画面です。色飽和、つまり目の前で結ばれている画像の色が飛んでしまった、という現象を思い起こさせますが、実際の作品はそれぞれの固有色を持った物質である絵の具で構成されている、質量を持ったモノなのです。作家が感じた日常の光の印象を絵の具を用いて翻訳してくれている、自然の風景よりもむしろデジタルデバイスの画面を通した景色の方を見慣れている私たちにとっての、新しい印象派であるとも言えるでしょう。 2025年8月のAISHO TOKYOでの個展タイトル「ゴーストノート」とは、音楽を演奏する際に意図的に挿入される極小さな音のことで、たいていが楽譜に明示されないが楽曲に独自の雰囲気やグルーブ感を演出する重要な役割を果たします。島田はモチーフこそ似たものを何枚もバリエーションのように描きますが、それぞれの作品の中で使われている画材や技法を少しづつ変えることで、ゴーストノートを変化させるように作品の纏う雰囲気を進化させていきます。 デジタルデバイスの中で濁流のように産まれ続けるイメージは、私たちの意識の中で積み重なり新たな歴史となります。過去をネガティブなものとして捨て去ることなく、昔のことをたずね求めて、そこから新しい知識・見解を導くことを島田は求めています。
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