
Statement 本展について 作品制作において「風景」をつくることを主題とする阿児つばさ による個展。 会場は阿児のアトリエを想定して空間構成され、「何になるかわからないもの」が置かれている。阿児と来た人にとっての芸術、学術ひろばであり、作品展示の場でもある。 風景はいかにつくられるか、私(たち)はその断片を記憶できるか、私(たち) はその連なりを記録できるか。これまで「シナリオ/scenario」「デイ シナリオ/day s cenario」「シナリオノーツ/scenario Notes」として試みてきた。 素材や存在を取り扱うことへの課題から、かたちに残す作品制作にこたえが見つからないでいる。ことばを残す紙を知り、本を知り、身体を知り、色を知り、社会を知り、ことばを知り、本をつくろうとしている。 阿児つばさ ーーーーー Gallery PARC[グランマーブル ギャラリー・パルク]では、2024年6月29日から7月21日まで阿児つばさによる個展の「シナリオノーツ」を開催いたします。 作品制作において「風景」をつくることを主題とする阿児つばさによる、ギャラリー・パルクでは初めてとなる個展。 2014年に京都精華大学デザイン学部を卒業した阿児 つばさ(あこ・つばさ/1991年・兵庫県出身)は、これまで「scenario」(FINCH ARTS/京都,2023)、「SUBJECT」(HOTEL ANTEROOM KYOTO Gallery9.5/京都,2020)、「札幌国際芸術祭」(札幌市資料館アートとリサーチセンター/音威子府村/北海道,2018)、「氷橋幌」(札幌500m美術館/北海道,2018)、「花路里と花路里 / PEGASUS / どこやここ」(3331 Arts Chiyoda/東京,2016)などでの発表の他、2022年9月から2023年6月まではフランス政府とヴァルドワーズ県の奨学生としてパリ・セルジー国立芸術大学に在籍していました。 阿児は「タイトルと共に日々を過ごすという表現手法」=「 scenario(シナリオ)」という方法を用い、そこから多様なメディアや手法によるインスタレーション(と呼ぶことのできる)作品やパフォーマンス(と呼ぶことのできる)作品へと展開しています。たとえば、北海道・美幌にある「花路里」というスナックを巡ってごく私的な物語を追った(つくった)「花路里」や、北海道・音威子府村に60年ほど前まであった氷橋(川面を覆う氷を切り、それを架けて橋にする)を眼差した『氷橋幌』など、阿児は個人的な体験や私的なつながり、それにともなうオブジェクトや造形物などの一連を「作品」としてきました。それらは一見してとりとめなく、理解しにくい、いわゆる「わからない」と呼べるものですが、その「わからなさ」はまた、鑑賞者の眼差しと思考を誘い、そこに運動を起 こすものとも呼べるものです。 本展「scenario Notes シナリオノーツ」は、ギャラリー・パルクの会場を期間限定の阿児のアトリエとして設定し、阿児の過去・現在・未来において関係する「何になるかわからないもの」が置かれることとなります。またここは阿児と来場者にとっての芸術や学術の対話の広場でもあり、その時々の作品の展示の場でもあるといいます。同時に『素材や存在を取り扱うことへの課題から、かたちに残す作品制作にこたえが見つからないでいる。ことばを残す紙を知り、本を知り、ことばを知り、色を知り、本をつくろうとしている』と話す阿児にとって、『本』をつくろうとするための機会でもあるといいます。 要するに本展は「○○を見せます」として結果や目的を確約するような展覧会ではなく、「何が見えるか・何が見えないか」を起点とするもの(展覧会)であり、重要なのはそこから対話や思考など「何がはじまるか」あるいは「何をはじめてみることができるか」を主題とするものであると言えます。間違っているかもしれませんが。
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