
山田桃子は1995年東京都生まれ、2021年に東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻を卒業し、2023年には東京芸術大学大学院美術研究科絵画専攻版画研究分野を修了しました。在学中から高い評価を受け、2020年には全国大学版画展で優秀賞を受賞し、これまでに個展やグループ展で幅広く活動しています。本展では、山田がこれまで主に制作してきた銅版画と七宝焼の作品を展示いたします。 展示のタイトルである『ある星』は、各作品が一つ一つ小さな世界を象徴しているイメージから取られています。山田は、銅版画と七宝焼という異なる技法においても、制作工程の多さと限られた領域に高密度の画面を凝縮する共通点を見出しています。制作プロセスでは、絵を描く過程で単語や言葉が湧き上がり、それが新たなイメージを得ながら、その往復のプロセスを通じて物語性が芽生え、独自の舞台や登場人物を構築しています。手間のかかる制作工程は、絵と言葉、そしてイメージの往復をしながら作品と向き合う時間を与え、作品により深みをもたらしています。 山田は、作品の中で現実で感じたインスピレーションや、本や音楽から得たイメージなどをもとに、色や形で構築された独自のルールが存在する世界を表現しています。これらの要素を通じて生み出される世界は、私たちが知る現実とは異なり、独自の法則に基づく物語が展開されています。このようにして現実と異なる世界を作り出すことは、山田自身にとってもう一つの居場所を生み出す喜びとなっています。さらに、木やガラス、金属などの素材に温もりを見出す彼女の視点は、見る者に昔ながらの時間や人々の生活を思い起こさせ、素材自体が宿している物語を描き出す意図が込められています。小さな作品の中に幾重にも織りなされている物語を是非ご高覧ください。 ーーーーーーーーーー アーティストコメント 馬を食べる木がいたり、鳥の形をした葉っぱがいたり、海に飛び込む二人の少女がいたり、 生き物が連なって音になっていったりと、絵の中は現実とはちょっと違います。 作品はそれぞれが暗号を持った、小さな惑星みたいだなと思います。 ひとつひとつが「ある星」になって、その星のルールの中で好きに存在しているみたいです。 2023年 山田 桃子 ーーーーーーーーーー
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